母子家庭など、経済的な理由で給付型奨学金を利用したいと思っていても、自分たちの家庭がその利用条件を満たしているかわからない、という人も多いでしょう。
給付型奨学金を受けるには決められた条件に当てはまる必要があります。大まかに言えば、世帯収入と子供の成績・学習意欲です。
どちらもホームページを見ると、条件の詳しい内容について書かれているので、その条件にあてはまりさえすれば大丈夫なのですが、イマイチわかりにくい、というのが正直なところでしょう。
給付型奨学金に関心はあっても、実際にどういう人たちが受けられるのか?自分たちはその対象になるのか?に関してすぐに判断できる人は少ないのでは、と思います。
ただ、そういう疑問を抱えている人たちに対しては、適切なサービスが存在しているのでをご存じでしょうか。それは、条件にあてはまるかどうかを確認するためのシュミレーションです。
ご自身の家庭が給付型奨学金の利用条件に当てはまるかどうかわからない場合は、このシュミレーションを利用してみるといいのではないでしょうか?
ここでは、自身の家庭が給付型奨学金を受けることが可能か、誰でも簡単に確認できるシュミレーションについて、詳しく紹介したいと思います。
給付型奨学金がわかるシュミレーションとは?

(JASSOホームページより)
文部科学省が令和2年4月から実施している高等教育の修学支援新制度で新しく始まった支援制度のひとつがJASSOの給付型奨学金です。
ここで紹介するのは、このJASSO(日本学生支援機構)の給付型奨学金のシュミレーションになります。JASSOのホームページから利用できるサービスで、おおまかな情報をもとに、ある程度の状況を知ることができます。
そのため、給付型奨学金を受ける資格があるか、こういった部分で不安を抱えている、または気になっているご家庭においては、シミュレーションを利用する意味が大いにあります。
給付型奨学金のシュミレーション、使い方は?

まず給付型奨学金のシュミレーションには、「生徒・学生向け」と「保護者の方向け」の2種類あります。
生徒・学生向けのシュミレーションでは、給付型奨学金が受けられる年収の目安がわかり、保護者の方向けでは、自身の家庭が給付型奨学金がいくら受けられるかがわかるようになっています。
それぞれ適したページから、実際にシュミレーションを進めていくことになります。
どちらのシュミレーションも、入力は難しくありません。基本的には問われている内容を入力し、クリックして先に進むだけでOKとなっています。
どんな項目を入力していくのか?と言えば、家族の人数、家計を支えている人は誰か、収入はどれくらいか、進学先として考えている候補などがあります。
そういった項目について、1つ1つ丁寧に入力をしていき、最終的な結果を見ていくことになります。
もし何かわからないことがある場合は、ホームページに「給付型奨学金シミュレーションかんたんガイド」や「給付型奨学金シミュレーションご利用の手引き」が用意されいるので、安心ですね。
またこのシュミレーションはパソコンだけでなくスマホでもできるようになっているので、スマホでシミュレーションした方は、アプリをダウンロードしてみましょう。もちろん、iPhone、アンドロイドどちらでも可能です。ダウンロード用のQRコードはホームページに記載されています。
給付型奨学金、シュミレーションの例

給付型奨学金のシミュレーションは、自分が給付型奨学金を受ける資格があるかどうかを確認するための重要な手段です。ここでは、具体的なシミュレーションの例とその結果について詳しく説明します。
シミュレーションの手順
給付型奨学金のシミュレーションを行うためには、まず自分の家庭状況や収入、学生の学習意欲などの情報を入力します。これらの情報は、シミュレーションの結果に大きな影響を与えます。入力が完了したら、「計算する」をクリックしてシミュレーションを開始します。
まず、自分の家庭の年収を入力します。これは、給付型奨学金の受給資格を判断するための重要な情報です。年収が一定の額を超えている場合、給付型奨学金を受ける資格がない可能性があります。
次に、自分の学習意欲について評価します。学習意欲は、給付型奨学金の受給資格を判断するための重要な要素です。学習意欲が高いと、より多くの給付金を受けられる可能性があります。
最後に、自分の家庭の状況について入力します。これには、家庭の人数や住んでいる地域などが含まれます。これらの情報は、給付型奨学金の受給資格を判断するための重要な要素です。
これらの情報をすべて入力したら、「計算する」をクリックしてシミュレーションを開始します。シミュレーションの結果は、自分がどれくらいの給付型奨学金を受けられる可能性があるかを示します。しかし、これはあくまでシミュレーションの結果であり、実際の給付金額はさまざまな要素によって変動することがあります。
シミュレーションの結果の解釈
シミュレーションの結果は、自分がどれくらいの給付型奨学金を受けられる可能性があるかを示します。しかし、これはあくまでシミュレーションの結果であり、実際の給付金額はさまざまな要素によって変動することがあります。
シミュレーションの結果は、自分の家庭状況や学習意欲などに基づいて計算されます。たとえば、家庭の年収が高い場合、受けられる給付金額が減少することがあります。また、学習意欲が高い場合、より多くの給付金を受けられる可能性があります。
また、シミュレーションの結果は、自分が給付型奨学金を受ける資格があるかどうかを示すだけでなく、どれくらいの給付金を受けられる可能性があるかも示します。たとえば、シミュレーションの結果が高い場合、より多くの給付金を受けられる可能性があります。
しかし、シミュレーションの結果はあくまで参考の一つであり、実際の給付金額はさまざまな要素によって変動することがあります。たとえば、家庭の状況が変わった場合や、学習意欲が変わった場合など、シミュレーションの結果と実際の給付金額が異なることがあります。そのため、シミュレーションの結果を確認した後は、実際の給付金額を確認するために、必要な手続きを進めることが重要です。
保護者向けのシュミレーションの例
例として、保護者の方向けのシュミレーションを実際にやってみます。(画像はいずれもJASSOホームページの進学資金シミュレーションからの抜粋)
1.「シミュレーションする」をクリックします

2.それぞれ該当する項目にチェックを入れていきます。今回の例では
- 属性:保護者
- 性別:女性(学生の性別です)
- 所属している学校、学年:子供が高校3生の場合
- お住いの都道府県:現在の住民票の住所

全てにチェックを入れたら「次へ」をクリックします
3.2.で入力した内容の確認です。間違いなければ「確定」をクリックします。

4.今回は奨学金のシミュレーションなので、右側の「奨学金選択 シミュレーション」の「START」をクリックします。

5.「注意事項を確認し、免責~」にチェックを入れ、真ん中の「給付型奨学金 シミュレーション(保護者の方向け)」の「START」をクリックします。

6.給付型奨学金をいつから利用したいか、子供の進学の状況から選択します。今回の例では子供を高校3年生としているので、2023年度 予約採用の申し込みにチェックを入れています。

7.保護者の生年月日、状況についての入力です。ご自身にあてはまる項目にチェックを入れていきます。母子家庭で世帯収入が自分だけであれば、「申込者自身」にチェックを入れます。

以降の質問について、ご自身の該当する項目にチェックを入れていき、最後に「計算する」をクリックします。



8.シュミレーション結果がでています。今回の例では、月額11,100円の支給が受けられることがわかりました。

給付型奨学金のシュミレーションの結果に関しては、入力した情報をもとにして、実際に給付型奨学金を受けられる可能性についてだいたい知ることができるでしょう。
基本的には、家計を支えている人の年収がどの程度であれば、どういう給付型奨学金を受ける条件を満たしているか?について把握できるようになっています。
その情報を見ることで、今の自分たちの状況において、どのくらいの可能性でどういう給付型奨学金を実際に受けられるか、大体の概要を把握することができます。
しかし、入力した情報によっては、こういった部分が特に表示されないケースもあります。特に収入が基準を超えているときには、そういう表示になることもあるのであらかじめ理解しておきましょう。
給付型奨学金のメリットとデメリット

給付型奨学金は、学生の経済的な負担を軽減するための制度として導入されました。この奨学金は返済の必要がないため、多くの学生にとって魅力的な選択肢となっています。しかし一方で、受給条件や選考基準など、知っておくべき注意点もあります。
給付型奨学金を受けるためのメリット
給付型奨学金の最大のメリットは、返済の必要がない点にあります。多くの学生が大学や専門学校への進学を考える際、経済的な負担が大きな懸念となりますが、給付型奨学金はこの懸念を大きく軽減する手段として、多くの学生に利用されています。また、返済の心配がないため、卒業後の生活設計もしやすくなります。
給付型奨学金は、学業成績や家計の状況など、特定の条件を満たす学生を対象としています。これにより経済的に困難な状況にある学生でも、高等教育を受けるチャンスが増えることになります。さらに給付型奨学金は、学生のモチベーション向上や学業成績の向上を促す役割も果たしています。奨学金の受給を目指すことで、学生はより一層学業に励む姿勢を持つようになります。
給付型奨学金は卒業後の返済のプレッシャーがないため、学生は自分のキャリアや進路を自由に選ぶことができます。返済の必要がある奨学金の場合は、卒業後すぐに安定した収入を得る必要があるため、自分の希望するキャリアを選ぶことが難しくなることもあります。給付型奨学金の場合、そのようなプレッシャーはありません。
給付型奨学金の受給における注意点やデメリット
給付型奨学金には多くのメリットがありますが、受給にあたっての注意点やデメリットもあります。例えば、受給条件が厳しい、学業成績が一定の基準を満たさないと継続的な支給が難しいなど、受給を継続するために厳しい条件が設けられています。一度受給を開始できても、途中で条件を満たさなくると支給が停止されることがあります。
給付型奨学金の受給条件は、学業成績や家計の状況など、さまざまな要因に基づいています。この条件を満たさない場合、奨学金の支給が停止される可能性があります。特に、学業成績が一定の基準を下回った場合や、所得が一定の額を超えた場合などは、注意が必要です。
給付型奨学金の多くは、受給期間が限定されています。4年制の大学であれば、4年間の支給が基本となりますが、それを超える期間の支給はないのが一般的です。そのため、もし留年したり卒業が遅れると、奨学金の支給期間と実際の学業期間が合わなくなる、というリスクもあります。
給付型奨学金と他の奨学金との違い

給付型奨学金は学生の進学を支援するための奨学金の一つですが、他の奨学金とはいくつかの点で異なります。違いを理解することで、自分に合った奨学金を選ぶ際の参考とすることができます。
給付型奨学金と返済型奨学金の比較
給付型奨学金と返済型奨学金の最大の違いは、名前の通り返済の有無です。給付型は学生の経済的負担を軽減を目的とした奨学金で返済の必要がありません。それに対して返済型奨学金は、卒業後に一定の期間内に返済を行う必要があります。金利が低いなどの配慮もされていますが、将来の返済負担を考慮する必要があります。
給付型奨学金は、学生が受ける教育の質や内容に関係なく、一定の条件を満たすことで受給が可能です。返済型奨学金は、卒業後の収入や職業によって返済計画が変わることがあります。返済型奨学金の場合、金利や返済期間、返済額などの条件が設定されており、これらの条件を理解し、将来の返済計画をしっかりと立てる必要があります。
返済型奨学金は、卒業後の就職活動やキャリアプランに影響を与えることが考えられます。返済の負担を軽減するために、高収入を得られる職種や企業を選ぶ傾向があると言われています。その点、給付型奨学金の方は返済の必要がないため、卒業後の生活やキャリア選択において、より自由な選択が可能です。
給付型奨学金の特色と他の奨学金制度
給付型奨学金は特定の条件を満たす必要があるのに対して、他の奨学金制度は、地域や学部、専攻など、さまざまな条件が対象になります。また給付型奨学金の支給対象は経済的な支援が必要な学生のため、受給条件や支給額などが他の奨学金とは大きく異なっています。
繰り返しになりますが、給付型奨学金の最大の特色は、返済の必要がないという点です。その一方で、学業成績が一定の基準を満たしている、家計の状況が一定の基準以下であるなど、特定の条件をクリアすることが受給の条件となっています。
その他の奨学金制度では、地域や学部、専攻などの条件が設定されているものが多く、例えば、特定の地域出身の学生を対象としていたり、特定の学部や専攻を目指す学生を対象としています。これらの奨学金は特定の条件や目的を持って設定されているため、給付型奨学金とは異なる選考基準や受給条件が設けられています。
給付型奨学金の受給条件

給付型奨学金を受けるためには、一定の資格基準を満たす必要があります。これには、家庭の年収や学生の学習意欲などが含まれます。これらの基準を理解することで、自分が給付型奨学金を受ける資格があるかどうか、判断できます。
受給条件の基準と変動要因
給付型奨学金の受給条件は、家庭の状況や学生の学習意欲など、さまざまな要素によって変動します。これらの要素を理解することで、自分がどれくらいの給付型奨学金を受けられるか、ある程度は目安をつけられるでしょう。
家庭の年収
まず、家庭の年収は給付型奨学金の受給条件を大きく左右します。年収が高くなるほど、基本的に受けられる給付金額は少なくなります。これは、給付型奨学金は経済的に支援が必要な学生を支援するための制度であるためです。
学習意欲
学生の学習意欲も給付型奨学金の受給条件を大きく左右します。学習意欲がそれほど高くないと判断されると、受給の資格は認められません。給付型奨学金は、学習意欲が高い学生を支援するための制度であるためです。
家庭の状況
家庭の状況も給付型奨学金の受給条件を大きく左右します。家庭の人数が多い場合や、住んでいる地域が遠隔地である場合などは、受けられる給付金額が増額される可能性があります。これは、家庭の人数が多い場合や、住んでいる地域が遠隔地である場合は、経済的に支援が必要な状況であると判断されるためです。
給付型奨学金の成功事例

給付型奨学金を利用して進学や生活を支えた学生たちの事例は、これから奨学金を申請しようと考えている学生たちにとって、大変参考になります。実際に給付型奨学金を受け取った学生たちの声や経験を通じて、そのメリットや活用方法を学ぶことができます。
給付型奨学金を利用して進学した学生の声
給付型奨学金を利用して大学や専門学校に進学した学生たちは、その支援の大きさを実感しています。多くの学生が、給付型奨学金のおかげで進学の夢を叶えることができたと話しています。また、返済の必要がないため、卒業後の生活設計もしやすく、安心して学業に専念することができたとの声も多く聞かれます。
ある学生は、家計の状況が厳しく、大学進学をあきらめかけていたところ、給付型奨学金の存在を知り、申請を決意。結果として、無事に奨学金を受給し、希望する大学に進学することができたと話しています。この学生は、給付型奨学金の存在がなければ、大学進学は難しかったと振り返っています。
また、別の学生は、給付型奨学金の受給をきっかけに、学業に対するモチベーションが高まったと話しています。奨学金の受給条件には学業成績が一定の基準を満たすことが求められるため、その条件をクリアするために日々努力を続けているとのこと。このように、給付型奨学金は、経済的なサポートだけでなく、学業に対する意欲を高める効果も持っていると言えます。
給付型奨学金を活用した家庭の実例紹介
給付型奨学金は、学生だけでなく、その家庭にも大きな支援となっています。経済的な理由で子供の進学をあきらめかけていた家庭でも、給付型奨学金の支援を受けることで、子供の夢を応援することができました。実際に給付型奨学金を活用して子供の進学をサポートした家庭の事例を紹介し、その活用方法やメリットを伝えることで、多くの家庭に希望を与えることができます。
例えば、A家庭は、親の収入が低く、子供の大学進学を諦めていました。しかし、給付型奨学金の存在を知り、申請を試みることに。結果として、子供は奨学金を受給し、希望する大学に進学することができました。A家庭の親は、給付型奨学金のおかげで子供の未来が明るくなったと喜んでいます。
また、B家庭では、複数の子供が大学や専門学校に進学する予定で、家計が非常に厳しい状況でした。給付型奨学金を活用することで、全ての子供が進学の夢を実現することができ、家庭全体の生活水準も向上しました。B家庭の親は、給付型奨学金が家庭の経済的な負担を大きく軽減してくれたと感謝しています。
給付型奨学金のシュミレーションで進学先の選択肢が広がる?

給付型奨学金に関して、自分たちが受けられそうか?について、おおまかに知ることができる機会は非常に大きいです。こういった情報を得ることで、これからの進学先について検討しやすくなりますから。
給付型奨学金の利用がもし可能であれば、実際に検討できる進学先はより広くなりますし、それだけいろいろな可能性を考えることがしやすいです。
中にはシュミレーションを利用しないで、そもそも給付型奨学金の利用を選択肢として検討すらしていないケースもあるかもしれません。その結果、進学できたかもしれない学校を諦めるという結果になっている状況も考えられます。
それは非常にもったいないですよね。
給付型奨学金を利用したいと考えているご家庭はもちろんのこと、給付型奨学金があれば助かる、可能性が広がるなど、得られる効果はとても大きいので、どのご家庭でも利用してほしいシュミレーションです。
こういったサービスを利用する手間は大してかかりませんし、時間もほとんどとられないでしょう。利用をするためのハードルは決して高くはないので、気軽に使ってみるといいのではないでしょうか?